Biased Beliefs of Consumers and Two-Part Tariff Competition

著者: 石橋孝次
発行日: 2024年4月11日
No: DP2024-009
JELコード: D42, D43, D91, L12, L13
言語: 英語
【要旨/ハイライト】
この論文では、消費者が自らの選好に対して誤った信念をもつとき、企業が二部料金のプランを設計する際にどう対応するかを検討する。誤った信念をもつ消費者には、自分の真の需要を過少に予測する(過度に悲観的な)場合、そして過大に予測する(過度に楽観的な)場合がある。信念に歪みのない消費者には評価額が高いものと低いものの2タイプがあると想定する。そこで誤った信念をもつ消費者によって歪みのない消費者がどんな影響を受けるかは、市場構造に依存して異なることを示す。独占の場合、企業は過度に悲観的な消費者を教育して信念を修正したいと考えるが、過度に楽観的な消費者を教育しようとはしない可能性がある。競争の場合には、企業には歪んだ信念をもつ消費者を教育するインセンティブはない。過度に悲観的または過度に楽観的な消費者に対して信念を修正しようとする政策を行うと、競争下では社会厚生は改善するが、独占下では社会厚生が損なわれる可能性がある。