IES主催「特別ワークショップ」(講演者:Peter Streufert)

       

内容

日 時:11月24日(火) 16時30分~18時00分
対 象:本学学部学生・大学院生・教職員、その他、本学専任教員の紹介があればどなたでも
講演者:Peter Streufert(Associate Professor, University of Western Ontario)
http://economics.uwo.ca/people/faculty/streufert.html
演 題:Specifying Nodes as Sets of Choices
司 会:尾崎裕之(慶應義塾大学経済学部)
使用言語:英語(同時通訳なし)

       

場所

三田キャンパス 南館地下4階ディスタンスラーニングルーム
     

備考

事前申込:不要
お問い合わせ:尾崎(慶應義塾大学経済学部教授)ozaki[at]econ.keio.ac.jp
主催:慶應義塾大学経済研究所

       

更新日

2015/11/24(火)

イベント開催報告

Peter Streufert教授
(ウェスタン・オンタリオ大学)

尾崎裕之教授
(慶應義塾大学経済学部)

2015年11月24日(火)に、IES主催「特別ワークショップ」が南館地下4階ディスタンスラーニングルームで開催されました。私(尾崎)の米国留学時における博士論文筆頭指導教員であるPeter Streufert教授(ウェスタン・オンタリオ大学)をお招きし、“Specifying Nodes as Sets of Choices” のタイトルで講演をしていただきました。
特段に高度な数学を用いる訳ではないのに、「一体、何でこんなことを思い付くのだ」という、彼一流の頭の良さ全開のお話を20年ぶりに直に聞くことができ、私としては非常に感慨深いものがありました。
 内容は、説明するのは非常に簡単で(もちろん、証明するのは非常に難しい)、展開形ゲームにおける各点(node)が、これまでは「誰が、いつ、何をしたか」という “choice” の「点列」で表現されていたのに対して、それを “choice” の「集合」で表現しようというものです。これは記号上では、これまで (a, b, c) と書かれていたものを、{a, b, c} と書こうとすることに他なりません。たったこれだけです! 何故これをするのか? 「その方が美しいから」というのが彼の答えです。素晴らし過ぎる! 実は、もう1つ理由があります。これをするとゲームの各点の間に部分順序が付き(集合同士なので、包含関係という自然な部分順序が付く)、これに古典的なScott による部分順序の加法的表現定理を応用することによって、展開形ゲームの逐次均衡が満たすべき条件のひとつである「整合性」(これを確認することは、通常難しい)を簡単に確認できるのです。
この話を聞き逃した、「あなた」。絶対損をしましたよ。(三谷幸喜氏風)(文責:尾崎)