慶応義塾大学 経済研究所

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福澤諭吉記念経済学特別講義

特別講義

Thomas J. SargentSpecial Event

A Life Cycle Model of Trans-Atlantic Employment Experiences

日時

2016.3.2 [水] 午後4:00~5:30

会場

慶應義塾大学三田キャンパス北館ホール

講師

トーマス・サージェント氏

ニューヨーク大学ウィリアム・バークレー経済学教授
スタンフォード大学フーヴァー研究所シニア・フェロー

2011年ノーベル経済学賞受賞者

講師紹介

サージェント氏はマクロ経済学における世界的な権威として活躍し2011年のノーベル経済学賞をプリンストン大学クリストファー・シムズ氏と共同受賞しました。同氏の研究業績はマクロ経済学のみならず金融経済学、計量経済学における時系列分析、労働市場分析、社会保障論など多岐にわたり、各分野において数多くの多大なる影響力を持つ論文を発表してきました。1970年代から1980年代にかけてマクロ経済研究手法のパラダイムを大きく変換させる合理的期待形成仮説を形成、発展させ、現在に至るまで多数の後続研究を生み出す革新を主導してこられました。研究と同時に学生の教育、研究者の育成に尽力されることでも有名で、教え子であるストックホルム大学ラーズ・リュングイスト氏と共著した教科書はマクロ経済学を学ぶ世界中の大学院生のバイブルとして広く知れ渡っています。近年においても毎年複数の革新的な論文を学術誌に掲載し学会や米国内外における学術会議においてその成果を精力的に発表、発信し続けており、サージェント教授の研究と教育への意欲と情熱がとどまる気配はありません。最近では2013年のノーベル経済学賞受賞者でありサージェント氏の教え子でもあるシカゴ大学ラース・ハンセン氏と共に、ロバスト制御と呼ばれる経済モデルの特定化に誤りがある場合の最適政策の策定の研究を行うなど、過去に自らが開発したパラダイムを創造的に破壊しながら新たな理論を構築されています。

対象者

講義内容は学部上級の経済学の知識を前提とし、主として義塾学生及び研究者を対象にしていますが、大学院生・研究者の方であれば、どなたでも参加できます。

備考

参加ご希望の方はフォームでの登録が必要です
http://goo.gl/forms/f5jcbVwZCA
使用言語    英語
主  催    慶應義塾大学経済学部・経済研究所
共  催    政策研究大学院大学(GRIPS)
お問い合わせ  経済研究所事務局 TEL.03-5418-6433
                 ies-office(at)adst.keio.co.jp

資料

開場時スライド

印刷物

サージェント氏講演テキスト(PDF)

イベント開催報告

トーマス・サージェント氏

司会:北尾早霧教授(経済学部)

2016年3月2日(水)、慶應義塾大学および政策研究大学院大学の共催により、ニューヨーク大学ウィリアム・バークレー経済学教授のトーマス・サージェント氏による特別講義「A Life Cycle Model of Trans-Atlantic Employment Experiences」が三田キャンパス北館ホールにて行われました。
特別講義には、慶應義塾大学および政策研究大学院大学関係者をはじめ、多数の経済学研究者及び大学院生が国内のみならずアメリカ、イギリス、オーストラリア、韓国、台湾などの海外からも参加され、盛況な中で行われました。過去にシカゴ大学やミネソタ大学経済学部でサージェント教授の授業を受けた研究者も数多く集まり、久しぶりのサージェント教授の講義に熱心に耳を傾け講義後には同窓会さながらに旧交を温めあうことができたようです。
サージェント教授は講義の中で失業保険や社会保障制度の影響は、我々を取り巻く経済環境によって大いに左右されることを強調され、政策の影響を判断するには雇用リスクや賃金の変動といった個人が直面するリスクをデータに即して経済モデルに組み込むことの重要性を説かれました。欧州における1970年代以降の高失業率や早期退職の増加は米国よりも寛大な再分配政策がその理由として説明されることが多いものの、同様の政策の違いがあった1970年代以前においては欧州の失業率が米国よりも低かったことをデータで示されました。こういった現象をマクロ経済モデルで整合的に説明するには制度の違いだけでなく我々が直面する所得リスクをあわせて理解することが不可欠であることを理論モデルを用いて明らかにされました。
非常に複雑かつ高度な経済モデルに基づいた分析でありながら、具体的な例やサージェント教授自身の経験に基づく興味深いエピソードなども交えつつ講義は展開され、わかりやすく楽しいながらも知的好奇心が大いに刺激される講演となりました。サージェント教授の研究に対する真摯で謙虚な姿勢と教育にかける情熱が聴衆にも強く感じられ、講義に続くレセプションにおいても講演の内容や関係する研究について活発な熱い議論が交わされていました。
(左から)清家塾長、トーマス・サージェント氏、中村経済学部長

イベントの動画

IES主催 【福澤諭吉記念経済学特別講義】
A Life Cycle Model of Trans-Atlantic Employment Experiences