ディリクレ過程事前分布を用いたセミパラメトリック準ベイズ法の開発:無視できない欠測データへの応用
Semiparametric Quasi-Bayesian Inference with Dirichlet Process Priors: Application to Nonignorable Missing Responses
著者: 猪狩良介、星野崇宏
発行日: 2017年6月26日
No: DP 2017-020
JELコード: C11,C14,C15
言語: 英語
【要旨/ハイライト】
準ベイズ法は、尤度の代わりに一般化モーメント法や経験尤度法などの目的関数を利用できるベイズ推論の一種であり、外部の理論制約等を課しつつ、数値最適化が難しい状況でもマルコフ連鎖モンテカルロ法によりパラメータを推定できる利点がある。本研究では、準ベイズ法をディリクレ過程混合分布モデルを用いたセミパラメトリックモデルに拡張することで、理論制約を課しつつ、関心のないモデルをノンパラメトリックに表現する柔軟な手法を提案する。また、提案手法をNot Missing At Random(NMAR)状況下における欠測データ解析に応用する。欠測データ解析では、欠測メカニズムの特定が必要であるが、欠測メカニズムを誤特定した場合、推定値にはバイアスが生じることが知られている。この問題に対し、提案手法を用いることで、モデルを誤特定した場合でもバイアスのない推定値を得られる。