サーチ活動に関する範囲の経済性・不経済性があるもとでの仲買取引について
Wholesale Transactions under Economies and Diseconomies of Scope in Search Activities in a Model of Search and Match
著者: 牧岡茂
発行日: 2015年3月
No: DPDP2015-006
JELコード: D83
言語: 英語
【要旨/ハイライト】
標準的なサーチ&マッチのモデルに於いては、生産者(売り手)と消費者(買い手)にとって、財の数に比例してサーチコストが増えていくという仮定を置くことによって、生産者と消費者の間の小売だけに注目すれば十分であることになっている。このサーチモデルを拡張して、2財におけるサーチコストが範囲の経済性・不経済をもつ可能性を許す事にする。生産者である売り手は、範囲の経済性からの便益が十分に大きければ、お互いに仲買取引を行う事が示される。一方で買い手のサーチコストに関する範囲の経済性と売り手のサーチコストに関する範囲の不経済性が打ち消しあう時、売り手同士が常に仲買を行う均衡や全く仲買を行わない均衡の複数均衡が存在することが示される。
標準的なサーチ&マッチのモデルに於いては、生産者(売り手)と消費者(買い手)にとって、財の数に比例してサーチコストが増えていくという仮定を置くことによって、生産者と消費者の間の小売だけに注目すれば十分であることになっている。このサーチモデルを拡張して、2財におけるサーチコストが範囲の経済性・不経済をもつ可能性を許す事にする。生産者である売り手は、範囲の経済性からの便益が十分に大きければ、お互いに仲買取引を行う事が示される。一方で買い手のサーチコストに関する範囲の経済性と売り手のサーチコストに関する範囲の不経済性が打ち消しあう時、売り手同士が常に仲買を行う均衡や全く仲買を行わない均衡の複数均衡が存在することが示される。