アメリカ合衆国における児童虐待の社会経済的要因について
著者: 丸山 玲於奈
発行日: 2023年2月12日
No: DP2023-003
JELコード: I32; J13; K4
言語: 英語
【要旨/ハイライト】
児童虐待防止を目的としたエビデンスに基づく政策立案(EBPM:Evidence-Based Policy-Making)への取り組みに貢献、並びに米国における児童虐待率の減少に寄与することを本研究の意義とする。米国内外において特定の社会経済的要因が児童虐待の件数にいかなる影響を与えるのかについては、近年幾多の実証研究で明らかになってきた。しかし、これらの研究では、母集団として用いるデータの最新性や地域的な網羅性が不十分であるケースが殆どである。 本研究では、米国全州の最新データに対して多重線形回帰分析を実施し、米国の児童虐待率に影響を及ぼす可能性のある幅広い社会経済的要因を推定した。 分析の結果、貧困率と里子を含む血縁関係のない子供の存在が米国の児童虐待率を増加させることが判明した。一方で、失業率、ひとり親家庭であるか否か、高等教育を受けているか否かと児童虐待率の間には統計学的有意差は認められなかった。
児童虐待防止を目的としたエビデンスに基づく政策立案(EBPM:Evidence-Based Policy-Making)への取り組みに貢献、並びに米国における児童虐待率の減少に寄与することを本研究の意義とする。米国内外において特定の社会経済的要因が児童虐待の件数にいかなる影響を与えるのかについては、近年幾多の実証研究で明らかになってきた。しかし、これらの研究では、母集団として用いるデータの最新性や地域的な網羅性が不十分であるケースが殆どである。 本研究では、米国全州の最新データに対して多重線形回帰分析を実施し、米国の児童虐待率に影響を及ぼす可能性のある幅広い社会経済的要因を推定した。 分析の結果、貧困率と里子を含む血縁関係のない子供の存在が米国の児童虐待率を増加させることが判明した。一方で、失業率、ひとり親家庭であるか否か、高等教育を受けているか否かと児童虐待率の間には統計学的有意差は認められなかった。