ジョブのローテーションと特化ー動学マッチングモデル分析ー
著者: 栗野盛光、黒川義教
発行日: 2020年12月17日
No: DP2020-026
JELコード: C78, P51
言語: 英語
【要旨/ハイライト】
企業がジョブを労働者に割り当てる際にローテーションと特化のどちらが利潤上望ましいのかという問いに答えるため、本研究は労働者とジョブをマッチさせる動学企業モデルを構築する。まず毎期全ての労働者が訓練中か訓練後という世代間重複のない基本モデルを作り、次に毎期訓練中と訓練後の労働者が混在する世代間重複のあるモデルに拡張する。どちらのモデルにおいても、ローテーションと特化の二つの形態のみが企業の利潤最大化から生じることを示す。さらに、どちらが望ましいかは、将来のジョブの存続に関する不確実性や訓練コストの程度に依存し、年功賃金の度合いが大きくなるほどローテーションが望ましくなる可能性が増えることも示す。