グラビティ・モデルと中間財貿易

著者: テレサ・グレイニー、清田耕造
発行日: 2020年1月21日
No: DP2020-002
JELコード: F14
言語: 英語
【要旨/ハイライト】

グラビティモデルは最終財貿易だけでなく中間財貿易にも適用可能だろうか。本論文の貢献の一つは、財が最終財だけでなく中間財としても用いられるという財の二面性を考慮していることにある。分析の結果、構造グラビティモデルは最終財貿易だけでなく中間財貿易についても非常に高い説明力を持つことが確認された。また、この結果は、ファクトリーアジアと呼ばれる特定のアジア諸国に注目した場合でも成立することがわかった。さらに、財の二面性を考慮したとしても、特定化の失敗やサンプルセレクションによっては、グラビティモデルのパフォーマンスが大きく低下することも明らかになった。これらの結果は、グラビティモデルのパフォーマンスが低下したとしても、中間財貿易の大きさがその原因とは考えにくいことを意味している。