チャイナ・シンドローム:クロスカントリーエビデンス

著者: 谷口美南、清田耕造、丸山佐和子
発行日: 2021年1月7日
No: DP2021-003
JELコード: F16, J21
言語: 英語
【要旨/ハイライト】

多くの先進国において、中国からの輸入競争の激化が雇用に与える影響は、政策立案者や多くの人々にとって大きな関心事であるが、その影響は、製品の量や構成によって、国ごとに異なると考えられる。本論文では、先進国6カ国におけるチャイナ・ショックの雇用への影響を検証した。その結果、中国からの最終財の輸入浸透がこれらの国の製造業雇用にマイナスの影響を与えるのに対し、中国からの中間財の輸入浸透や中国への輸出はプラスの影響を与えうることがわかった。さらに、このような正の効果は、国によってはマイナスの効果を相殺したり、上回ったりする可能性がある。これらの結果は,一国を対象とした分析から得られるチャイナ・ショックの外的妥当性を評価する際には,慎重な解釈が必要であることを示唆している。