協力ゲーム理論による会計基準の分析ー減価償却ゲーム

著者: 荒田映子、下川拓平、猪原健弘
発行日: 2022年5月10日
No: DP2022‐007
JELコード: C71, M41
言語: 英語
【要旨/ハイライト】

本研究では,Generally Accepted Accounting Principles (GAAP)と呼ばれる会計基準が,なぜgenerally accepted であるかを分析するためのモデルを,複数の方法が認められている減価償却に焦点を当て,協力ゲーム理論により構築した。世界中で広く使われている定額法は常にコアに入る一方で,近年,国際会計基準審議会(IASB)で支持されている公正価値測定による投資額の配分は,資産の時価がリース会社の事前の予測通りに実現し,企業(借手)がその情報を得られる場合にコアに入ることが示された。さらに,シャープレイ値や仁によって与えられる配分方法が定額法と一致する条件を明らかにした。これらの検討は,会計独自の解概念を模索するための足掛かりになるであろう。