慶応義塾大学 経済研究所

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生産性格差と海外直接投資からの垂直的スピルオーバーについて:ベトナムの事例
Productivity Gaps and Vertical Technology Spillovers from Foreign Direct Investment: Evidence from Vietnam

倪 彬、加藤隼人

2017年7月15日

JELコード : D22,F21,F64

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【要旨】

途上国は、地元企業へのスピルオーバーが得られることから、海外直接投資の誘致に積極的である。しかし、どのような外国企業が大きなスピルオーバーをもたらすかは明らかではない。生産性の高い外国企業ほど最先端の技術を伝播させるように思えるが、反面でそれらの技術は地元企業には高度すぎて学習することが難しいかもしれない。本論文では、ベトナムの企業レベルのパネルデータを用いて、アジアからベトナムの川下産業への海外直接投資がベトナムの川上産業の企業の生産性にどのような影響を与えたかを分析する。構造変化を内生的に検出する手法を用いて、アジアから進出してきた外国企業をその生産性に応じて高・中・低の3グループに分類する。中程度の生産性をもつ外国企業が、地元川上企業に対して最も強いスピルオーバーをもたらすことがわかった。