日本の海外直接投資と中間財輸入の補完性の再検討:集積・親会社属性の異質性
Revisiting Complementarity between Japanese FDI and the Import of Intermediate Goods: Agglomeration Effects and Parent-firm Heterogeneity

著者: 伊藤匡、松浦寿幸、Yang Chih-Hai
発行日: 2016年11月16日
No: DP2016-025
JELコード: F14, F21, F23
言語: 英語
【要旨/ハイライト】

1990年代後半より大企業のみならず中小企業も中国に工場を移転させるようになったこともあり、直接投資による国内経済の空洞化問題が再び脚光を集めるようになった。本研究では、直接投資と本国からの中間財の輸入の補完関係が、進出先の企業集積、そして親会社の属性によってどのように異なるかを分析した。日系在中国現地法人の財レベルの2000年から2006年の輸入データを用いた取引関係の生存分析の結果からは、集積地に進出した企業では中間財輸入が停止する可能性が高いが、親会社の規模に注目すると中小企業では取引関係が長く続く傾向にあることが分かった。