レオンティエフの逆説:再考
著者: 清田耕造
発行日: 2020年10月7日
No: DP2020-018
JELコード: F14
言語: 英語
【要旨/ハイライト】
レオンティエフの逆説について、Leamer (1980)が概念的な誤解に基づくことを明らかにした直後、Brecher and Choudhri (1982)はアメリカが労働サービスを輸出していることそれ自体が逆説的であると指摘した。なぜなら、それが成立するためには、アメリカの一人当たり消費が世界の平均的な一人当たり消費を下回る必要があるためである。驚くべきことに、この疑問に対する明確な答えは過去40年に渡って提示されていなかった。本研究は、各国の技術の差異と貿易不均衡を考慮したヘクシャー=オリーン=バーネック・モデルによって、このBrecher and Choudhri (1982)が指摘した逆説が解決できることを明らかにした。一方、この逆説は準ホモセティック選好やアーミントンの自国バイアス,オフショアリングを考慮しても解決できないことも確認した。