資産、ファイナンシャルリテラシー、行動バイアス - 日本の実証分析

著者: 関田静香、Vikas Kakkar、大垣昌夫
発行日: 2018年12月26日
No: DP2018-023
JELコード: D12, D14, J26
言語: 英語
【要旨/ハイライト】

本稿では、日本の最初の大規模なファイナンシャルリテラシーのアンケート調査のデータを用いて資産とファイナンシャルリテラシーと他の数個の変数の関係を研究する。ファイナンシャルリテラシーの内生性の可能性を考慮した操作変数法を用いて、本稿はファイナンシャルリテラシーが資産の蓄積に経済的に大きな影響を与えることを示している。また、 ファイナンシャルリテラシーを5つのカテゴリーに分けることで預金リテラシー、リスクリテラシー、負債リテラシーが資産蓄積に優位な影響を与えるのに対し、インフレーションリテラシーと保険リテラシーは与えないことを示している。またファイナンシャルリテラシーに加えて、自信過剰、自制、近視眼性、損失回避など行動経済学が示唆する数個の変数が資産蓄積の有意な決定要因である。