ユーラシアにおける「生態経済」の史的展開と発展戦略 プロジェクト期間/2014年度から2018年度の5年間 Projects

研究成果報告

  • 研究成果報告書
  • 本研究プロジェクトのカテゴリーC(在来燃料クラスター)の研究成果については、
    こちらもご覧ください。

研究目的

 ユーラシアの各地において、人々は絶えず資源・環境・人口と経済とのアンバランスに苦悩し、新たな均衡に辿り着くべく、各々の「生態経済」を多様な形で模索してきた。本研究プロジェクトでは、この史的展開の諸パターンを少なくとも過去500年にわたって分析すると同時に、その知見を踏まえつつ、将来の新たな「生態経済」の構築に向けて、日本がユーラシア諸国から何を学びうるのか、また日本がユーラシア諸国に対して何を提供できるのか、発展戦略的提言を行う。

 本研究プロジェクトは、次の5つのカテゴリーを具体的な柱とする。すなわち、環境経済学・資源循環経済学の観点から「環境と経済の両立」に向けた理論・実証・政策研究を行うこと(カテゴリーA)、人口学・歴史人口学の観点から「人口変動の要因と人口問題への対応」について、実証的・歴史的な国際比較研究を行うこと(カテゴリーB)、社会経済史学の観点から「資源・エネルギー・環境史の多様な経路」について比較史的な研究を行うこと(カテゴリーC)、都市経済学・都市計画史の観点から「災害と都市」に関する理論・実証・歴史研究を行うこと(カテゴリーD)、財政学・財政史の観点から、資源・環境・人口問題の解決に向けた「財政の役割」について理論・実証・政策研究を行うこと(カテゴリーE)、がそれである。本研究プロジェクトは、これらの個々のカテゴリーの中で高質の研究成果を上げることを目指すと同時に、カテゴリー間の緊密な連携・協働を通じて統合的な成果を生み出すことを目指している。

 統合的な成果を目指すというのは、具体的には次のような意味である。第一に、資源・環境・人口問題という、これまで別個に扱われることが多かった問題を、「生態経済」というキーワードの下で、相互に関連付けながら把握することである。そして第二に、過去に遡及する歴史分析と将来に向けた発展戦略研究の接合を図ることである。そもそも資源・環境・人口問題を研究するという場合には、必然的に長期的な観察が重要となる。それにもかかわらず、これまで歴史研究と発展戦略的政策研究との連携が十分に図られてきたとは言い難い。それだけにこの両者を架橋することには大きな意義があろう。

 

資金提供機関

文部科学省 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業

参加研究者

[学内]

[学外]

  • 相原 佳之大学共同利用機関法人人間文化研究機構地域研究推進センター/

    公益財団法人東洋文庫現代中国研究資料室