予算編成における委任
Budgets under Delegation

著者: 寺井公子、Amihai Glazer
発行日: 2014年11月
No: DP2014-007
JELコード: D73, D82, H61
言語: 英語
【要旨/ハイライト】

組織内で予算の総額を決定する主体をプリンシパル、各プロジェクトへの予算の配分を委任される主体をエージェントと見なす。プリンシパルとエージェントの選好が異なるとき、対称情報のもとでの均衡予算総額は、ファースト・ベストの水準に比べて過大にも過小にもなり得る。プリンシパルとエージェントの間で、エージェントのタイプやプロジェクトの費用について、情報の非対称性が存在するとき、エージェントは情報を操作することで、過大な予算を獲得することができる。理論分析から得られる示唆を、日本の公共事業関係費の当初予算と補正予算の推移と、2009年の政権交代後の予算編成の二つの例を用いて検証する。