求人・求職者・最低賃金:職業安定業務統計からのエビデンス

著者: 太田聰一、小前和智
発行日: 2022年3月9日
No: DP2022-004
JELコード: J63, J64, J65
言語: 英語
【要旨/ハイライト】

本論文は、日本の職業安定業務統計を用いて最低賃金の上昇が求人数と求職者数に与える影響を分析する。分析結果によると、2005年から2019年の期間において、最低賃金の上昇は求人数を減少させていた。一方、最低賃金の上昇は求職者数を増加させており、求人倍率の低下をもたらしていた。求職者数の増加の一部は、離職に伴う失業者の増加によるものであった。最低賃金上昇の影響は、労働市場の需給が緩んでいる時期や、カイツ指標や小企業比率の高い都道府県、さらにはパート労働者において顕著であった。