慶應義塾家計パネル調査の概要
調査の目的
パネル調査は、同一の個人を継続的に追跡することで、経済主体の動学的な行動の分析や観察できない異質性を考慮した分析を可能にするという点で、今日の社会科学における研究・政策評価に不可欠なものとなりつつあります。しかしながら、わが国においては米国のPanel Study of Income Dynamics (PSID) や欧州の European Community Household Panel (ECHP) に代表されるような、特定の層に焦点を当てるのではなく、社会全体の人口構成を反映した家計パネル調査はまったく存在してきませんでした。「慶應義塾家計 パネル調査」は、このような要請に応えるために、全国約4,000世帯、7,000人を対象に2004年から継続して実施されている調査です。上記に加え、2007年からは約1,400世帯、2,500人を対象に新たなコホートへの調査も開始しています。
調査項目
調 査の質問票は、対象者の就業・就学・生活習慣・生活時間配分・健康状態・環境に対する意識に加え、対象者世帯の世帯構成・収入・支出・資産・住居など、包 括的なトピックをカバーしています。加えて、初年度の調査においては、18歳以降調査時点までの、対象者の就学・就業履歴を過去の各年にわたって回答して いただく項目も用意されており、回顧パネル調査(retrospective panel)としての利用も可能な設計がなされています。また、対象者が有配偶である場合、その配偶者に対しても同一の質問項目が用意されています。
調査方法
「慶 應義塾家計パネル調査」(Keio Household Panel Survey, KHPS)は、2004年1月に第1回調査を行い、現在に至るまで同一対象者を追跡調査しています。初回調査における対象者は、層化2段無作為抽出法に よって選定された、平成16年1月31日時点における満20~69歳の男女4,005名(予備対象5名含む)です。現時点では、2007年調査が最新年度 となっており、4年分の調査が蓄積されています。加えて、2007年からは、同様の方法によって抽出された1,419名(予備対象19名含む)を対象とし た調査が開始されています。回答は調査員による訪問留置法で行われ、原則として配偶者等による代理回答は認めていません。
慶應義塾大学21世紀経商連携COEプログラム拠点における
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コホートA
第1年度 (2004年度) 調査票