福澤諭吉記念経済学特別講義

James J. Heckman

こどもの発育と学習の経済学

日時

2014.10.7 [火] 午後4:30~6:00

会場

慶應義塾大学三田キャンパス北館ホール

講師紹介

ヘックマン氏は、労働経済学、ミクロ計量経済学を専門とする、現代を代表する経済学者の一人です。特に、不平等、社会階層移動、差別、職業技能形成等に関わる社会経済問題の根源的理解と、これらの解決のための政策を評価する手法の開発に多大な貢献をしてきました。氏の研究の特徴は、経済理論・社会理論に基づき、個人や家族の特性、社会制度や規制の多様性を考慮した精緻な実証研究です。氏は、自ら開発した経済学的・統計学的な手法と、それに基づく政策デザインの提案により、政策形成に大きな影響を与えてきました。ヘックマン氏は経済学を出発点としつつも、分野横断的な研究を行っています。特に近年、生命の誕生から始まる個人の成長、技能形成、不平等の発生と社会階層移動の原因に関する研究を、心理学、遺伝学、公衆衛生学、神経科学と共同で実施しています。

対象者

講義内容は学部上級の経済学の知識を前提とし、主として義塾学生及び研究者を対象にしていますが、大学院生・研究者の方であれば、どなたでも参加できます。

備考

使用言語    英語(日本語同時通訳付)

主  催    慶應義塾大学経済学部・経済研究所
助  成    公益財団法人 野村財団

お問い合わせ  経済研究所事務局 TEL.03-5418-6426
                 ies-office(at)adst.keio.co.jp

イベント開催報告

2014年10月7日(火)に、慶應義塾大学経済学部及び附属経済研究所の主催により、2000年ノーベル記念経済学賞受賞者であるジェームス・ヘックマンシカゴ大学教授による特別講義「子どもの発育と学習の経済学」が三田キャンパス北館で行われました。

講義に先立ち、清家塾長を交えた歓談の後、塾長、中村経済学部長、細田経済研究所長の案内により、三田キャンパス内を散策されました。
特別講義は、清家篤塾長、西室泰三慶應義塾評議員会議長を始め、塾内外から多くの方が参加され、立ち見が出るほどの盛況となりました。
ヘックマン教授は講義の中で福澤諭吉の言葉を引用し、日本のおける教育格差や経済格差の現状を詳細に紹介するところから始めました。講義は次第にヘックマン教授の最新の研究の紹介に進み、米国とベルギーにおける教育格差と経済格差の関連の比較等、様々な分析結果が紹介されました。
最後にヘックマン教授は、経済社会における教育の重要性、特に、事後的な再分配政策以上に、教育の初期段階での政策的な配慮が、社会における効率性と公平性の双方を向上させることを強調されました。
講義の後には、学生や教員から活発な質疑応答があり、最後に清家塾長から総括のコメントがありました。最後は盛大な拍手の中で閉会となりました。

講義の後には、教員、大学院生、外部の関係者を交えた懇親会が催されました。
講義の内容や最近の日本経済の状況等について、引き続き活発な議論が交わされました。
ヘックマン御夫妻を囲んで記念撮影(福澤諭吉像前にて)
慶應義塾WEBページ開催報告も併せてご覧ください。

イベントの動画

1. Introduction

2. Lecture

3. Q&A Session

4. Comments and Reply