産業政策の生産性効果:戦後日本における輸入数量制限撤廃のケース
Assessing the Effects of Japanese Industrial Policy Change during the 1960s

清田耕造、岡崎哲二

2016年4月1日

JELコード : F1, N15

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【要旨】

この論文では、第二次世界大戦後の日本における産業政策について、その効果を体系的に検討することを試みた。戦後の日本で実施された多くの産業政策の中で、ここでは、外貨割当制度を利用して行われていた事実上の輸入数量制限の撤廃に焦点を当てる。工業統計4桁分類の227産業に関して1960-69年のパネル・データを作成して分析した結果、輸入数量制限撤廃は実質産出,工場当たりの実質産出,そして雇用に有意でマイナスの影響を与えたことが明らかになった。一方で,輸入数量制限が撤廃された産業では,関税による保護が実質産出や雇用を維持する上で効果的に働いていたこともわかった。しかし,これらの結果は必ずしも産業政策の変化が効果的だったことを意味するわけではない。なぜなら,輸入数量制限撤廃も関税による保護も,生産性の成長には有意な影響を及ぼさなかったためである。この意味で、産業政策の効果はあくまで限定的なものだったと言える。