アメリカ連邦政府による包括的税制改正の成功と失敗
Tax Cuts, Tax Expenditures, and Comprehensive Tax Reform: Federal Income Tax Reform in the United States, 1961-1986

著者: 茂住政一郎
発行日: 2016年8月24日
No: DP2016-021
JELコード: H2, N42
言語: 英語
【要旨/ハイライト】

アメリカにおいては、1930年代以降、財務省とtax expertsが協力し、十分な財源調達能力を備えた、簡素、公正、公平な連邦所得税制を構築するための包括的税制改正の実現を幾度となく試みてきた。しかし、1986年の連邦税制改正を除き、その試みはほぼ失敗に終わった。本稿は、1964年、1978年、1986年の三つの連邦税制改正の政策決定過程を追い、なぜ、どのように財務省とtax expertsの試みが失敗ないし成功したのかを論ずる。その過程で本稿では、第二次世界大戦以降、連邦議会が包括的税制改正の重要性をどのように捉えていたのかに注目する。