産業クラスター計画と取引ネットワークの形成:企業レベルの分析
Industrial cluster policy and transaction networks: Evidence from firm-level data in Japan

著者: 大久保敏弘、岡崎哲二、冨浦英一
発行日: 2016年8月1日
No: DP2016-019
JELコード: O25, R11, R38, R58
言語: 英語
【要旨/ハイライト】

本論文では経済産業省が主導して行った「クラスター計画」の政策効果を計量分析した。クラスター計画の大きな目標の一つは取引ネットワークの拡大である。本論文では企業レベルの取引関係のデータを用いて政策の効果を分析した。分析の結果、クラスター計画の対象企業は政策により取引企業数を増やしたが、特に東京あるいは東京周辺部、都市部との取引を有意に増やし、一方で地元での取引数は有意に増やさなかったことが明らかになった。さらに政策対象企業のメインバンク(取引銀行)を見ると、特に地方銀行をメインバンクとした企業が取引企業を大きく増やしていることが分かった。この結果はクラスター政策と相まって、地方銀行とのメインバンク関係が取引先拡大に重要な役割を果たしていると言える。